はじまり

2/2
前へ
/8ページ
次へ
美人転校生が隣のクラスにきた。 そんな噂を聞いたのが一週間前。 そしてその転校生さんがうちで一番優秀な部活であるテニス部のマネージャーになったと聞いたのは、転校生が来てから二週間後のついさっきの事。 オタクな友達は「夢小説の逆ハ女が現実化された!これからが楽しみだわ」と大爆笑していたが、私は正直転校生(名を姫神里菜というらしい)に対して浮かぶ感情は、何もなかった。 あえて言うなら、めんどくさい。 関われば日常が壊れる気がした。 ******* 立海男子テニス部には無駄に顔の良い奴が多い。 …そんな奴らに好意を寄せる女子は決して少なくはないはず。 しかし、我が校には小説や漫画で描写されるようなテニス部"ファンクラブ"なんてものは一切無い。 そんなものを作ったりしたら、まぁ、まず先生に怒られるし、テニス部の部長副部長が黙ってはいない。 しかし"ファンクラブ"という団体名がないだけで、彼等を慕う女の子はたくさん居るわけで。 過激なものになると、彼等と付き合う女を一掃しようとする子だっている。 だからテニス部はマネージャーを取らなかった。 男子であろうと女子であろうと、少なくともこの三年間例外は無かった…はずなんだけど。何をどうしたか姫神さんはテニス部の中でも群をぬいてキレイな顔のレギュラー達を骨抜きにし、あまつさえ誰もなろうとはしなかったマネージャーになってしまった。 今、学校はかなり殺気立っていた。 女子は姫神さんに、男子はマネージャーを許したレギュラーに対して。 .
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

53人が本棚に入れています
本棚に追加