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……これは、夢だ。
「あなたの消去を以って、世界の異常を修正します」
約束の場所である丘の上で、少女が俺にそう告げる。どこか見覚えのある、何の感情も抱いていないような、冷酷な眼差しで。
「だから――」
そう……きっとこれは夢だ。目を開けたらまたいつもの日常に戻るんだ……。
そうじゃなきゃ――
「死んでください」
つい先日まであんなに仲よく話をしていた女の子が、俺のことを殺そうとするなんてあり得ないだろう?
彼女がその言葉を発した次の瞬間、俺の体を感電したかのような強い衝撃が襲い、視界が闇色に奪われた。
◇ ◇ ◇
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