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「じゃあ、行こ。」と詩織ちゃんが歩きだしたところに、二位以下の選手の取材を終えたC日報の記者が来た。「優勝おめでとうございます。アンナさんと皆さんのコメントを伺いたいのですが、よろしいですか?」「あっ、そうだ。わたしは用があるので」と言い、詩織ちゃんは、さっきまで座っていたところに離れて行った。芦田家とバレーボール仲間と記者は、土俵から少し離れた場所で写真を撮った。詩織ちゃんは巫女舞の小道具をまとめていたが、急に辺りを見回して、芦田家とバレーボール仲間の集団のほうを見て、手ぶらで近づいていった。「北林さん。」「はい。」「わたしはこれから衣装を取りに行くけど、どうする?」「はい、えー、どうしましょう。」そこでアンナちゃんが「うちで待ってればいいわよ」と言った。詩織ちゃんはちょっと考えて「そうね、それがいいかも。じゃあアンナのお祝いしてて」とつぶやくように言い、小道具のところに戻った。詩織ちゃんは小道具をまとめて紙袋に入れ社務所のほうへ向かった。詩織ちゃんの姿が見えると、二人のアルバイト巫女さんが両手を振って迎えた。「やったね~、優勝おめでとう。」「うん、ありがと。アンナに言っとく、あ、でも、またすぐ来ると思う。みんなは直接…あの正面の鳥居のほうに行っちゃったみたいだけど、またすぐ来ると思うよ。それで、これを置いておいて欲しいんだけど、」「ぁ、はいはい、巫女舞のね。わかったわ。がんばってね。」と、ショートカットの巫女さんが紙袋を受け取った。「じゃ、また」詩織ちゃんは社務所の裏の階段を降り自宅に向かった。そして自転車に乗り、神社の前を通り神社の西側を通り、北林さんが通った道を行き杉原市街へ向かった。
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