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「大変ですね、名取というぐらいですから小さい頃から通われたんでしょう?」「あっ、それは…小さい頃は、ここから南へ少し行ったところにいらっしゃった、大師匠のお弟子さんのところに通っていたんです。方角が逆ですね。あの子は小さい頃から巫女舞を目指していたので、そのために日舞を始めたんです。」「それじゃ相当長く踊りをやってるんですねぇ、天才なのかと思ったのですが。」「えっ、ええ、天才…かしら、ずっとそばにいるからよくわからないんですが…」そのとき、バレーボール仲間の美奈ちゃんが「天才姉妹ね、アンナちゃんたちわ」と、アンナちゃんに向かって言った。「やめてよ、天才なんかじゃないわよ。バレーでも踊りでも。あっそれから相撲でも」とアンナちゃんが答えてじゃれあった。「あの、お母さまは何かやってらしたんですか?」と、北林さんは美樹子さんに聞いた。「いえ、全然、そういう才能的なものはまるで縁がありません。」「それじゃ、…お父さまのほうは?」「そうですね、…趣味人ではありますね。」と美樹子さんが答えた。
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