忍野町の話

仕事の完遂

「そうか～、それじゃどうしようかな…」「テレビでも見る？」アンナちゃんがテレビのスイッチを入れてリモコンのボタンをあれこれ押した。そしてリモコンを美月さんに渡した。美月さんもあれこれ押したが、「ちょっと散歩に行ってきます。」と言い、家の外へ出ていった。そして芦田家の庭を見た後、辺りを散策した。それから３０分以上経ってから芦田家に戻ってきた。「どうですか？」と美月さんが聞きながら居間に入っていくと、アンナちゃんはマンガ雑誌から顔を上げて、「まだみたい。」と答えた。マンガを閉じて、「ちょっと様子を見てこようか。」と言いつつアンナちゃんは立ち上がり部屋を出ていった。台所では美樹子さんがお皿を洗っていた。少し間があり美樹子さんが布巾を手に居間に顔を出した。「すいませんねぇ、お待たせしてしまって。」「いえ、こういうことは慣れてますから。」「お茶でもお飲みになりますか？」「いえいえ、それはまだ。さっき食べたばかりですから。」「フフ、そうですよね、すいませんねぇ、焦らせるわけにもいきませんし…」その時「できたって、」と言いつつアンナちゃんが居間に入ってきた。