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詩織ちゃんは紺色の羽織を脱ぎ真っ白な狩衣姿になり、雛人形にあるような烏帽子をかぶった。美樹子さんはいろいろな小道具を用意し、アンナちゃんはカセットテープをプレーヤーにセットした。プレーヤーはCDやMDも使える物が、拝殿の陰にある。いつもは社務所に置いてあるものだが、そのプレーヤーと配線をつなぎ小さな黒いスピーカーから音が出るようになっている。そのスピーカーは拝殿の上のほうにあるが、そこはかつて大きな拡声器が付けてあったため木材の色が白くなっている。陽が傾いてきたため美月さんは少し焦っていたが、その様子を見せないようにしていた。巫女舞の筋は、若い娘が野の草を取りにでかけ、篭のような笊のようなものに少し摘んだ頃、角のあるもののけが現れ、動転する。鎌で対抗したが折れてしまう。そして短い刀を懐から取り出すが、それは鞘と柄が縛ってあって、それをほどきながら逃げまどう。そして運よくもののけを倒すことができ、それから感謝の舞、そしてもののけに対し憐れみがでてきて少し舞が変わる。最後にもののけを慰める舞。というような話になっている。
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