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詩織ちゃんは柳の枝を数回振って、肘を上げて枝の先のほうを下げたりして、軽く「いえ」と言い、今度は体を大きく回して片膝をつくようにして体をひねりながら片手で枝を振ってみた。次は体の上のほうで枝を縦に回してみた。芦田家の家族が片付けを始めたので、北林さんとアルバイト巫女さんたちも手伝った。詩織ちゃんはその間もいろいろな動きをしていた。片付けが終わると美樹子さんが「詩織、帰るわよ」と声をかけた。詩織ちゃんは「うん」と返事をして舞台から下がった。北林さんは「それじゃこの辺で失礼します。」と皆に声をかけた。皆は、それぞれ頭を下げたり手を振ったりした。北林さんは正面の鳥居を通り境内を出てバス停へ、運よくすぐバスが来たので走って乗り込んだ。その日は杉原市内のビジネスホテルに宿泊した。美月さんが最も気に入った写真は、柿色が映えたものだが、通常の巫女舞は昼間行われるためミニコミ誌には使えない。影には気を遣ったのだが…。完。
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