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「ユマちゃん連れてかれてから、もうずっとこうなの。
私達も大変だったんだから…。」
大人っぽく長い髪をかきあげて。ため息をつきながら、此方に近づいてきた彼女は‥
‥まだ、6歳だ。
「いつも、すみませんアイル。」
「あらあら、ユマちゃんが謝ることないのよ?」
ニコッと笑うと、アイルは皇子の方を見た。
「私もヨフも、皇子の為なら、命だって惜しく無いんだもの。この位お安いごようよ。」
儚げに笑った彼女の言葉は、とても重い誓いだった。
皇子に命を救われた事…
皇子がたった一人の自分の為に、心から涙を流した事に…
彼女は、心の底から感謝して、今‥ここに居るのだ。
「すまない‥アイル。イライラして悪かった。
頼むから、俺の為に命が惜しくないなんて言わないでくれ…。」
皇子は、アイルとヨフには弱い…
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