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城に戻ってアイルは、夜に字を教えて欲しいと、俺の部屋を訪ねてきた。
少し教えたら、思いの他のみこみが早く、城の書物を片っ端から読みあさり‥
‥元々頭が良い子だったのだろう。今では、口で大人を負かす程だ。
ヨフの方は、エサルに武術の猛特訓を受けている様で、どうやら‥筋が良いらしい。
『立派な大人になって、私達の大切な、お兄様のお手伝いをしたい。』
二人は、その夢を叶えるためだけに…
頑張っている事を皇子も承知していた。
皇子の役に立ちたくて‥
子供ながらに、一生懸命に考えての事なのだろう。
俺やエサルは幾度となく、彼等の必死さに救われている。
戸惑いがあっても、止まってなどいられない。
大切な人が居るから…
全力で挑まなければ、亡くすものが大きすぎる。
俺にとっても……
彼等にとっても…
この…国にとっても…だ。
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