薄紅色の季節

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はぁ...はぁ...っ。 肩で息をしている私に近付いてきた彼は、私の手を取った。 「ゴメン...。」 「ちょっと、触らないでっ!!」 彼の手を振りほどこうと、勢いよく払おうとした。 しかし、その弾みで私はバランスを崩し、夜の山道の傾斜から転がり落ちてしまった。 「あっ...つぅ。」 私は立ち上がろうとしたが、左足首に激痛が走り、上手く立てなかった。 「いったぁ...。 ったく、今日は厄日なのかしら...。」
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