薄紅色の季節

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また茂みからガサガサッと音が聞こえてきた。 音のする方を見ると、先程の彼がそこに立っていた。 「大丈夫?」 彼はゆっくりと私に近付いてくる。 「大丈夫よ...。」 「嘘付くなよ、さっき立てて無かったじゃん。」 「見てたなら、聞かないでよ。」 無言で近付いてくる彼。 私の足元に跪き、足首を触ってきた。 「っ!!」 「左足首を挫いたんだな。 よいしょっと。」
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