薄紅色の季節

15/19
前へ
/96ページ
次へ
「えっ?!ちょっ!! 降ろしてよっ!!」 彼はいとも簡単に私を抱き上げた。 彼の腕の中でジタバタしている私を見て、少し迷惑そうな顔をして脅し文句を吐いた。 「あんまり暴れると、落とすぞ。」 私は暴れるのを止めた。 「部屋まで送る。」 そう言って、勝手に旅館へと戻って行った。 女将さんは凄く心配してくれたが、ロビーで足の手当をしてくれた。 その間、彼は黙って私の傍に立っており、手当が終わるのを確認するとまた私を抱き上げた。
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加