薄紅色の季節

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歩きなれた帰り道。 昨日までは何とも思わなかった道程が、今日からは貴一との思い出の詰まった道に変わった。 私は貴一が大好きだった。 でも浮気を許せる程、大人にもなれなくて...。 けど泣いて縋れる程、子供でもなくて...。 あのコンビニ、よく貴一と一緒に行ったな...とか。 あそこのカフェ、貴一との待ち合わせ場所だったな...とか。 そんな事を思い出しては、滲んでくる涙をグッと堪えて家まで早足で帰った。
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