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まだ感じる。足りない。いや、今は自分ではない。この黒い修道服の集団に足りないのだ。
「足りない!」
思わず声に出して、一歩前に踏み出してしまう。それに押されるように、黒い修道服の集団は一歩後ろに下がる。
「足ぁりないぞぉおおお!」
大声で叫ぶ。叫ぶしかなかった。これは魂の叫びだ。安っぽい脳みそで考えで叫んだのではない。
「貴様らに足りないのは、愛情努力忍耐努力頑丈根性術義!」
早口で伝わらなかったものたちもいたらしく、ぽかーんと口を開ける一同。
「そして何よりも!速さが足りない!」
沈黙が走る。こいつが何を言いたいのかまるで分からない一同。
「子どもを生け贄だと……?」
打って変わって、真剣な表情を作る流星。
「幼き子どもの命を奪う貴様らに、今日を生きる資格はない!」
流星の背景で、大噴火が起こった。
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