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流星は、集団の中の一人の男に歩み寄った。その表情は怒りを帯びていて、男は恐怖すら感じていた。
すっ
そんな風を切るような音がした。
「お前はもう死んでいる」
「えっ……?」
この男は流星が何を言っているか理解できなかった。その二秒後までは……。
「ゔぇはっ!」
刹那、男の胸は十字に裂け、中から大量の血が吹き出した。頭はちぎれ転げ落ち、一歩前に踏み出した流星に踏み潰される。
「な……なんだお前!何をした!」
一人の男が、顔を青くしながら流星に向かって叫ぶ。同時に出刃包丁を突きつけるが、握る手はものすごい勢いで震えている。
「森羅裂驚拳!」
仁王立ちで叫ぶ流星。目の中には炎が見えた。
いつの間にか流星は、青ざめた男の目の前にいた。
すこん。
今度はそんな感じの音が聞こえた。
よく見れば、流星の指は男のヘソのあたりを突いていた。
「ひっ……!」
「貴様の命はあと三秒だ」
聞きたくない言葉だった。
嫌だ。死にたくない!誰か、誰か助けてくれ!
男はそんな想いで、背後の仲間の方を振り向いた。
ぴしゃん
そんな音がした。男の上半身と下半身は真っ二つに裂け、中から赤黒い血液と、骨、内蔵が飛び散った。流星はその中から胃腸を拾い上げ、黒い修道服の集団に千切って投げつけてやった。
こんな気持ちの悪いものを生きているうちに見るとは思わなかった。黒い修道服の集団は恐怖に恐れおののき、ある者は許しをこい、またある者は神に祈り、またある者は壁を指差しながら笑っていた。
「あはっあははははは!壁の中に子どもが!あはっ窓にも、空にも、床にも……!」
流星は憐れなものを見る顔をして、その者たちのウナジを勢いよく指で突いた。
瞬間、その者たちの首は飛び、砕け散り、中から薄紅色の脳みそらしきものが飛び出し、お互いの肉片と混ざりあい、どれがだれのか分からない状態になった。
流星は小さくため息をついた後、その場で黙祷した。
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