魔神降臨

9/19
前へ
/91ページ
次へ
 なんだったんだろう。あの子どもは……。  突然、脳裏に変なイメージが浮かんだ。共に声が聞こえる。  海に行け。  確かにそう聞こえた。この声は森が語りかけてきた時と同じだった。森が、海へ行けと言っているのか。流星はお告げのように捉え、海へ向かうことにした。  海はここからそう遠い場所ではなかった。歩いて三十分ほどで着ける距離だ。過去のバーンブレイカーとの戦いのせいなのか、建物は皆倒れかかっており、建物としての機能を成していないものがほとんどだった。おかげで道が分かりやすくて助かる。 「ちょっとそこのあんちゃん。待ちなせ」  背後から声が聞こえた。あんちゃんとは自分のことを言っているのか。 「はい?」  振り向くと、そこには自分の胸くらいしか身長のない老人がいた。腰は曲がり、顔はシワだらけで、髪はなかった。 「あんた。天空宙神拳を使うのかい?」  意味が分からなかった。
/91ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加