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なんだったんだろう。あの子どもは……。
突然、脳裏に変なイメージが浮かんだ。共に声が聞こえる。
海に行け。
確かにそう聞こえた。この声は森が語りかけてきた時と同じだった。森が、海へ行けと言っているのか。流星はお告げのように捉え、海へ向かうことにした。
海はここからそう遠い場所ではなかった。歩いて三十分ほどで着ける距離だ。過去のバーンブレイカーとの戦いのせいなのか、建物は皆倒れかかっており、建物としての機能を成していないものがほとんどだった。おかげで道が分かりやすくて助かる。
「ちょっとそこのあんちゃん。待ちなせ」
背後から声が聞こえた。あんちゃんとは自分のことを言っているのか。
「はい?」
振り向くと、そこには自分の胸くらいしか身長のない老人がいた。腰は曲がり、顔はシワだらけで、髪はなかった。
「あんた。天空宙神拳を使うのかい?」
意味が分からなかった。
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