最愛の華

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それからも、何度も彼女の家を訪れた。 6月に入る頃には、彼女の身体も、だいぶ良くなったようで 二人で外で会うようにした。 ただ話をしているだけではあったが、彼もそれが嫌いではなかったため毎日、話しても飽きは来なかった。 そんなある日の夕暮れ時… 彼女は、「明日は病院だから今日は帰るね?」と言い残し 普段は手を振らない彼女が手を振って帰って行った。 それが彼は、不安だった。 その日の夜は、嵐だった。 不安というものは天気にも表れるのかと彼が滑り台の上で苦笑していると 目の前の街頭の上に一人の男がいた 白い髪に右目だけに掛かった丸い眼鏡…ヨーロッパ風な黒いマント付きの制服を着たそれは、吸血鬼というに相応しい姿だった。
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