最愛の華

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「ジベール…。」 ルイがその名を呼ぶと 男はノコギリのような鋭い歯をギラつかせてニンマリと笑った。 「久しぶりだな…ルイ。」 「なにしに来た。」 「貴様は、まだ血を求めぬか…何故、人間の身体にこだわる!」ジベールと呼ばれた男は 牙をギリギリと音たてながらそう言って、火の球を飛ばした。 それを、紙一重で交わすと彼は 「黙れ!」と呟くように言うと白いコートを翻し、一瞬姿を消すと、男の背後に現れてその爪で引き裂こうとしたが、 ひらりと交わして男は、ニヤリと笑った。
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