最愛の華

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男は、微笑むと彼女の頭を撫でて、白いコートを彼女の頭に被せた。 「えっ?」 彼女が驚いたようにそう言うと、男はニッコリと笑い 「風邪だろう?その格好では寒いと思ってな。」と言うと、少女は「うん…」と呟き男の着ている黒い服の裾を両手で掴むと男の腹部に顔を埋めた。 「お兄さん…名前なんて言うの?」 「私か?私はルイ…ルイ・マドレックだ。」 男…ルイがそう言うと少女はルイから少し離れ「私はレンっていうの…。」と笑顔でそう言い、ゴホゴホとまた咳込んだ。 これがルイとレンの出会いだった。
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