最愛の華

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「……ねぇ、私にもそういう人出来るかなぁ?」 レンはにこやかにそう言うと彼は、あぁ。と小さく呟くように言った。 すると、レンは急に咳き込み始めた。 「大丈夫か?」 「ありがとう……すぐに治まるから…大丈夫だよ。」 彼女は、辛いはずなのに彼の顔を見ながらニコニコと笑ってそう答えたが、彼にはどうしてもそれが理解できなかった。 「最初に会った時もそうだったな。」 ルイが悲しそうにそう言うと、彼女はコクンと頷き 「私…生まれつき肺が悪いの。」と深刻な顔でそう言った。 それは、彼が初めてみる彼女の表情だった。 「大丈夫だ…すぐに治る。」 ルイが、そう言って彼女を抱き締めると 「ホントにルイは優しいね… 。」と、一筋の涙を流しながら彼女はそう言った。 まるで、自分の身に何が起こるのか わかっていたかのように…。
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