鼠は平凡がお好き

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「何?あぁその問題はね。ここのxに21を代入すれば良いのよ」 「えっ?どこから21なんて出てきたのよ」 「問題の初めに提示されてるじゃない。(21)って」 「え~……あぁ!!本当ね。ありがとっ」 「どういたしまして」 「じゃあさ、じゃあさっ。こっちは?」 「まだあるの?少しは自分で解くってことをしなさいよね」 「りょーかいです」 鼠ヶ関千草(ねずがせきちぐさ)は軽くため息をついてから、ちっとも悪びれない親友の熊笹八葉(くまざさやつは)に数学をまた教え始めた。 しかし千草は口ではこう言っても嫌な気分じゃない様子。 「ねぇねぇ千草」 「何よ?大したことない話なら聞く耳持たないわよ」 「それが大したことなのよ!聞く?聞きたい?!」 千草は話したくてしょうがないといった様子の八葉を、これもまたいつものことなので軽く流す。
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