鼠は平凡がお好き

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「はいはい。聞きたい、聞きたい」 「そんな言い方じゃあ教えられないわね」 八葉はいきなり態度を大きくして舌を鳴らして人差し指を立てて振る。 「ならいいわ」 「そんなあっさり流さないでよ!」 あっさりと流す千草に八葉は慌てて止める。 「なに?言いたいの?」 「言いたいの!言わせてっ!」 八葉と千草の立場はあっという間に入れ替わり自ら言い出した。 「またあの人が面白いことやったんだって」 「あの人って……虎頭真哉(ことうしんや)のこと?」 「そうそう!虎頭君!なんかね。今回は屋上から紐なしバンジーしようとしたらしいわよ」 「それって冗談じゃなくて死ぬじゃないの」 千草は驚き半分呆れ半分と言った感じで言った。 「なんでも下に学校中のマットというマットをひいたらしいわよ。あの体育のふっかふかなヤツとかさ」
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