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「ただ私は自分の平穏な世界を崩されたくないの。わかる?」
「ん~なんとなく?」
「それが少しばかりヒートアップしちゃっただけ」
千草はそう言っていつものトーンに戻った。
「おーけーおーけー。納得したわ」
「まっ、一年間何にも関わりあわなくて済んだんだから、今年も大丈夫よね?」
「どうかしらね~。今こうやって虎頭君の話してるからもしかしたら同じクラスになっちゃうかもよ?」
「そんな幽霊みたな……。もしそうなったら私が紐なしバンジーするわ」
「じゃあマットの代わりにあたしが受け止めてあげる!」
そう言って八葉は胸をぽんっと叩いた。
しかし千草はあまりにも頼りない親友のその体躯を見て仏の様な笑顔を浮かべた。
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