虎は平凡がお嫌い

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「…――いいか!もう二度とあんなバカなことをするんじゃないぞ。わかったか」 生徒指導室と呼ばれる生徒なら誰しもが近寄りたくもない、と考えている場所から低くて響き渡る怒鳴り声漏れている。 「大変もーしわけあーりませんでした」 虎頭真哉は全く悪びれていない態度で目の前のスキンヘッドに言葉を返した。 スキンヘッドこと田鍋三大夫(たなべさんだゆう)は、全く反省の色が見えない虎頭に対して肩を震わせ、拳を震わせた。 「ま、待った待った!手は出さないって約束じゃないかっ。約束を破る教師なん――おぅ!いっつぁい!!いぃっつぁぁあい」 生徒指導室の壁を越えてまるで雷でも墜ちたんじゃないかと思える様な音が響き渡った。 「校則破っとる生徒に言われる筋合いないわっ!教育的指導かつわしの愛の篭っておる拳じゃから問題は無い!!」 「愛なんか微塵も感じないっ」
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