神父 (実話より)

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『人はパンのみで生きるにあらず』  人は生きる希望を失うと、その生命力を保つことができない生物だ。  くじ引きで拷問に当たった者たちのほとんどが、当たったことで、運も尽きたと生きることを諦めた。拷問を受けたほとんどの人は、三日の内に死亡した。  だが神父は、十日以上を生き延びた。あまりに死なない神父に、ナチスは毒薬を注射して殺害した。
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