5人が本棚に入れています
本棚に追加
/65ページ
愛玩ドール
午後10時 今日も電話が鳴る
貴方だと直ぐに解るわ
受話器の向こうから貴方の声
「ねぇ、会えるかな?」
貴方が望んでいることは直ぐに解る
身体が欲しいだけでしょ
それでも良いの 貴方に必要とされるなら
何でもするわ 例え私が壊れても
貴方の為なら苦しくない
午後10時 貴方からの電話待つ
どうして今日も来ないの?
心が痛くてしょうがないよ
「ねぇ…会いたいよ」
捨てられると解ってた なのにどうして?
涙が止まらないの…
貴方がいない それだけで生きる事が辛い
人形の様にボロボロに壊されたのに
まだ貴方の事が好きなのよ
馬鹿な女ね 私
身体だけと解っていたのに
心から愛してしまっていたのね
諦めるなんて無理だから これで最後
貴方のもとで逝きます
私が逝って貴方は泣いてくれますか?
最後に一つ願いが叶うとするなら
貴方の記憶に残して欲しい
最初のコメントを投稿しよう!