ノートルダム

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 非常ベルがけたたましく鳴り響く。  魔法大国『トランプ』の辺境に存在する唯一の刑務所、『グリフィン・プリズン』は大混乱に陥っていた。 「どうしたこの騒ぎは!?」 「か、看守長!!大変です!!死刑囚が脱走してしまいました!!」 「なんだと!?死刑囚の番号と名前は?」 「囚人ナンバー099921、リンセス・P・グランドベル。元『栄光の13人』の13番目で3年前の王城襲撃事件の主犯で5日後死刑が行われる筈だった、あの女です」 「何故脱走したんだ!?魔力を制御する手錠をしていたんだから不可能の筈だろう!!」 「彼女が入っていた牢(ろう)に衣服を剥がされた看守の死体が…………」  看守長は絶句する。大方体調異変などを訴え慌てて入ってきた看守を襲い手錠の鍵を奪ったのだろう。3年間随分大人しかったのはこのチャンスを窺っていたからか。
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