ノートルダム

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「『栄光の13人』へ早く連絡しろ!!あの悪魔を絶対野放しにするな!!」  看守長の声が刑務所中に響き渡る。  大国『トランプ』最も廃れた町スラム街の細い道で少女は座り込んでいた。  小柄な背丈、柔らかく風に揺れる桃色の髪。華奢な手足、小動物のようなくりくりした瞳。これが少女の第一印象だ。 「ここまで来れば、大丈夫でしょ………」  はぁ、と安堵の息を吐く。だが約2時間走り続けてきたというのに疲労のかけらも少女は見せない。 「これからどうしようか…………」  行き先はもう決まっている。だがその場所に行くためには『栄光の13人』に見つからぬよう慎重に向かわなければならない――――― 「目標、発見」  ―――――はずだったのに。
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