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「あぁ、もう見つかっちゃったか」
少女は苦笑いを浮かべながら声の方を向く。
「しかもよりによってローズ、貴女なんて」
小川のように淡い青色の髪、青色の瞳、青色の服、左目に蒼い薔薇を模った眼帯をした女性。名はローズ・D・ローデンバッハ。二つ名を『蒼い薔薇』。
「久し振りね、リンセス。3年前のあの事件以来ね」
「その眼帯………………3年前の私との戦いの傷は治ってなかったんだね」
「そんな話、塀の中に戻っても出来るわよ」
「別に戻ってもいいよ。……私が目的を果たすまでは」
「目的?」
「極東の国、『ニポーン』へ行く」
ローズの眉がぴくりと動く。
「貴女が?何故?ニポーンに何があるって言うの?」
少女は醜悪に、嗤う。
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