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耕介たち5人は、とある廃トンネルへと向かった。
もちろん、〝肝試し〟だ。
そこは、S県でも3本の指に入るほどのオカルトスポットである。
ここはオカルトスポットというだけあり、昼でも辺りは薄暗いのだが、夜ともなれば完全な闇であった。
「マジかよ…。俺、こえーよ…」
健は人一倍怖がりである。だから、今回も相当ビビっているに違いない。
「はっ!ダッセーな!この程度でよ!」
精一杯の虚勢を張っている悠太も、膝だけは震えていた。
「カメラの準備はいいの?」 弘が正哉に訊いた。
「オッケー」
この肝試しを提案したのは耕介だ。
今の季節は夏。そして夏休みは今日で終わる。宿題を終わす気など、全くない。耕介は考えた。どうせ宿題など終わらない。だったら、夏休み最後の思い出として肝試しをしよう。
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