358人が本棚に入れています
本棚に追加
しかし見張りがいる以上、誤魔化しは効かない。途中で放棄したとして、明日はどんな罰ゲームが待ち受けているだろう。
田川君に逃げ道はなかった。
B地点が見える。
見張りを確認。彼は何も言わず、ただ呆然と田川君を見ていた。
表情は固まっていた。
B地点を過ぎた。残り半分。
「くっそ!」
早く終わりたい。教師に見つかる前に。
田川君はさらにスピードを上げる。
C地点に近づく。
相変わらず見張りはいる。彼は田川君を確認した途端、「ぎゃああああ!!」と駆けていった。
『なに興奮してるんだ、あいつは。こっちの苦労も知らないで』
田川君は不愉快な気分になった。
残りはD地点のみ。
体力は限界に近いが、達成感を得るために田川君は力を抜かなかった。
ここまで来た以上は、絶対に走りきってやる。
そして、最後のD地点が目の前まで迫った。
最初のコメントを投稿しよう!