疾走

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しかし見張りがいる以上、誤魔化しは効かない。途中で放棄したとして、明日はどんな罰ゲームが待ち受けているだろう。 田川君に逃げ道はなかった。 B地点が見える。 見張りを確認。彼は何も言わず、ただ呆然と田川君を見ていた。 表情は固まっていた。 B地点を過ぎた。残り半分。 「くっそ!」 早く終わりたい。教師に見つかる前に。 田川君はさらにスピードを上げる。 C地点に近づく。 相変わらず見張りはいる。彼は田川君を確認した途端、「ぎゃああああ!!」と駆けていった。 『なに興奮してるんだ、あいつは。こっちの苦労も知らないで』 田川君は不愉快な気分になった。 残りはD地点のみ。 体力は限界に近いが、達成感を得るために田川君は力を抜かなかった。 ここまで来た以上は、絶対に走りきってやる。 そして、最後のD地点が目の前まで迫った。
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