始まり…

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はぁ…なんで担任の鈴木に夏休みまで会わなくちゃいけないんだよ。 ちょっと、イライラとしていた。 生徒指導室の前に行くと 『ニッコリ』 と笑顔の鈴木がいた。 「一之瀬、時間に来れるんじゃねぇか」 「はぁ…」 「二学期は遅刻と欠席を無くせよ」 そう言いながら生徒指導室の椅子に座らされた。 「このままの成績じゃ、難しいな」 「何が…ですか?」 「来年の受験だよ」 「そんなに成績は悪くないと…」 「甘い!!」 「えっ?」 「お前、学年200人中120番だと思っているだろ?」 「はい…」 「お前の後には、20人しか居ないんだよ」 「えー!!」 「休学してる奴と名前を書いてない奴等」 「えぇー!!」 「先生、正直に僕の成績で入れそうな高校ってありますか?」 「…」 先生は、目を細めて僕の成績表を見ていた。 そして、しばらくして 「ない」 そう、返事が帰ってきた。
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