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昇は勢いをつけて動き出す。
常識では考えられない力でボートは軽々と移動を開始する。
先頭はマーク。
次にダンとそしてキース。
離れて昇という途中経過。
「大丈夫・・・・よね?」
ドナが心配そうにボートの縁に掴まって言う。
ファニーは楽しそうにクスクスと笑って言う。
「心配ないわよ。昇・・・・きっと生まれて初めて真剣に本気で勝負してるわ。元々自然に愛されるがゆえに人間にすれば異常な身体能力を持って産まれてしまった為に今まで真剣に本気になった事ってあまりないのよね。
特にこうした体力勝負なんて事になるとね。
だから彼にとってとっても良い思い出になると思うわ。」
そう言って懸命に泳ぐ昇を嬉しそうな瞳で見つめるファニー。
その様子にアリスはため息をつく。
「ファニーはほんとに昇の事良く判ってるんだ。」
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