戸惑い

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お昼ご飯を圭吾のお薦めのお店に、食べに行くことになった。 海沿いのカフェで、ランチメニューもあり、雰囲気が良く、亜美はとても気に入った。 「石井さんの席って、俺のすぐ後ろだから、聞こうと思わなくても、弘美さんと話してる会話が聞こえてくるんだ。それ聞いていたら、家事もちゃんとしていて、かといって所帯染みていなくて、すごく可愛い人だなって感じて… その後の飲み会のときや、この間食事に行って話していたら、ますますその思いが強くなってしまって… 結婚してからは、ずっと妻だけを見てきたんだけど、石井さんが現れて、俺は… 」 圭吾の言いたいことはよく分かる。亜美も同じ気持ちだから。 「私も、同じなの。杉田さんは、覚えていないかもしれないけれど、お仕事の最初の日、事務所に入りづらくて、ドアの前にいたら、杉田さんがドアを開けてくれて… まず、その仕草にドキッとして、その後も何故か杉田さんのことが気になりはじめて、飲み会や食事にいっておしゃべりしていたら、ますます杉田さんに惹かれていったの。」 「良かった。嬉しいよ。お互い結婚しているし、石井さんがどう思っているか、気になってたよ。」 .
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