あれだよ、うん、俺には見える

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  霊なんてありえると思います?ありえません、うん。だってそうだろ?誰か死んで体験してきたか?まっさかー。俺は自分で見た物しか信じない、よってそんな非現実的な物は信じない。心霊写真、あんなのは汚い大人達の陰謀だ、霊能力者達からのワイロだ。汚ねぇ世の中になったなチキショーめ。俺は霊やらなんやかんやを絶対に信じないぞ!そんな物には関わりのない人生を送ろう。それが良い。霊感0な俺万歳!アッハッハッハー 「なに黙り込んでるのアゲハ君?」と正真証明の幽霊である裕子ちゃんが俺を心配する。 やっべ、この状況から逃げ出したいばかりに現実逃避しちゃった。しっかりしろ俺、現実を見ろ俺。只今この幽霊、生前は綺麗な子だったのだろうと予測されるが、事故で亡くなった為顔がぐちゃぐちゃな裕子ちゃんが成仏出来るようにと話を聞いている所だ。 周りから見れば、1人で頷き「そうだね、うんうん」と相槌をうつ俺は痛い子。 「彼氏がね、浮気してたの…私悲しくて…」 なんかもう全然違う方に話が飛んでる。 ぁあ…逃げたい、だが逃げればたぶんずっと憑いてくるだろう。っざっけんな。ただでさえ幽霊住み着いてる家にこれ以上増やしてたまるか。ここは我慢だ、耐えろ俺 暫くすると「なんかスッキリした!! ありがとうアゲハ君!」 そう言って彼女はスーっと消えて言った。終わったぁぁぁ!!俺は心の中で叫ぶ。 遅くなりますが、俺の名前は山犬アゲハ、愛と平和を愛する男。霊の類いが全て見える、はっきりくっきり見える。こんな体質なのも生まれつき。これは特殊能力でもなんでもない、ただの体質なんだ。
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