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「……あーあ、俺もレイカさんみたいに何でもできちゃう力みたいなのがあればなぁ…
レイカさんから見て人間は滑稽だろうと思うけど、やってる俺達は退屈だよ……」
そう言ってゲーム盤のボタンをいじくる誠の顔からは何も読み取ることができなかった。
こいつはいつもこうだ。変態っぷりは目に余る程だが、それ以外は何を考えているのかよく分からない。
まぁそれは向こうもだろうけど。
前述で、奴は私の同棲相手だと言ったが、実はお互いの事をあまりよく知らない。
必要最低限のプロフィールしか把握していないし、それ以上の詮索も全くない。
私が誠を詮索しないのはまだしも、誠が私を詮索しないのは少しおかしいことなのかもしれない。実際、私の正体を知った時だって二つ返事で納得してしまう程だった。
誠は私をどう認識してるかは検討がつかない、が、私はそんな、少し人間らしくない誠に興味を持った。
一緒にいる理由はそれだけのこと。
「そうだ、レイカさん、新しい標的は見つかったの?」
「…ああまぁ、大体目星はついてる」
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