序章1話 -全てを失った者-

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「はぁ、はぁ、はぁ」    赤色の青年は駆ける  自分の国へ  自分が守りたかった国へ  自分が好きなあの国へ    青年はたどり着く、国を見れる丘へ   「!?」    そこには見える、はずの国が無かった  そこから見えるはずの王国はもう存在していなかった   「ア…ヴァロン…王国が……どうして……」    そこから見えるはずの城、町、家、道は無かった  あるのは……とても、とても大きな削り取られたようなクレーターだけだった…   「……いったい何故」  青年は自分が倒した敵の言葉を思い出しす   『ククッ俺が死ねば全てが始まる、さぁ殺せ!そして後悔しろ!!』  確かに戦場でこんな事をほざいてた敵を殺していた   (まさか、あいつが?でも……始まる?…死?……禁術?……いや、まさか…いや…なら私が……?)
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