雨の中の山荘

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「探偵ですか」  探偵と言う言葉に男は再び胡散臭そうな目で黒部を見たが、女性はきっと、探偵と云う存在を小説やドラマの中だけでしか知らないのだろう。私が見る限りでは、黒部に向ける視線が好意的な物に変化した。 「ここで、何が有ったのですか?」  女性からの評価が少し好転したのを感じ取った黒部は彼女に向けて質問する。 「実は」 「村枝君」  女性、どうやら村枝と言うようだ、が発言しようとするのを男性が止める。  この男性は女性も君付けで呼ぶようだ。
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