雨の止んだ山荘で

7/12
前へ
/185ページ
次へ
「そんなことで」  岸辺は彼が言わんとしている事を理解したのか、そんな呟きを洩らす。 「そんな事? そんな事だと?」  それまで、人当たりの良かった松山の口調が一変した。 「あなたにとってはそんな事でも、俺にとっては大切な事なんだ! あんたが、あんな事を彼女にしなければ、彼女は自殺なんかしなかったんだ」
/185ページ

最初のコメントを投稿しよう!

598人が本棚に入れています
本棚に追加