598人が本棚に入れています
本棚に追加
「そんな不謹慎なことを言わないでください」
「そうですよ、実際に人が死んでいるんですから」
「仕方ないだろ、俺だって怖いんだ。軽口の一つでも叩かないとやってられないよ」
男はそう言うと立ち上がった。
「どこかに行くんですか?」
「トイレだよ。それとも付いてくる?」
「冗談じゃ有りません」
その瞬間、激しい雷鳴が轟き、一瞬照明が明滅した。
「雰囲気十分だね」
男は乾いた笑いを浮かべながら、その部屋を後にした。
最初のコメントを投稿しよう!