山荘の中で
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私が風呂の礼を言うと、岸辺は私たちの存在がまだ不服なのか、いえ、と言ったきりで言葉を続けようとはしなかった。 「それで、何が有ったのですか?」 どうやら、状況の説明は私が出て来るのを待ってくれていたらしい。黒部は二人にそんな問いを投げかけた。 「はい、あの、何から話したら良いのか」 村枝は少し戸惑った様な視線を岸辺に投げる。 「とりあえず、自己紹介から始めましょうか」
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