序章

2/2
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
「あのさぁ、ごめん。別れてくれないかな」 「え、あ、はぁ……?」 頭が真っ白になった。 夕焼けの光が、私と彼と、放課後の教室を真っ赤に染める。 誰もいない教室で夕焼けっつったら少女漫画の告白王道パターンじゃないの?何で私逆にふられてるの? それよりなにより、なんでいきなりふられたの!? 「え、と、ごめん、何で……?」 「ごめんな」 そう言って彼は、いまにも泣きそうな顔をする。 泣きたいのはこっちのほうだ。 「俺、他に好きな子ができたんだ……」 ああ、ほんとうに、泣きたいのは私のほうだ。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!