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まず入学式があります。
なんてことはない普通のものでした。
しかし「普通」の式典が終了した直後に普通じゃないことがおこりました
係員「それでは入学生の皆様は私についてきてください」
右も左もわからない我々は桜が散り始めた広大な土地に立ちそびえる式典場を後にし、数十メートル先の校舎に囲まれたいわゆる「中庭」に集められた。その「中庭」は20m四方で中央にはありがちな大きな樹木が植えてある。
そこに待ち構えていたのはおそらく容姿、立ち振る舞いから察するに上級生であろう。
その数約200人
1年生は100人そこそこしかいないので圧倒的に不利である。
彼らは四角い「中庭」の中央にある、おおよそその「中庭」の落ち着いた雰囲気に似合わないポールに張られた工事現場で汎用されているロープに隔てられている先にまるで餌を目の前にぶら下げられたライオンのような目つきでこちらを睨み付けている。
その張り詰めた状況を見かねたかのように係員が声を張り上げる
我々が「中庭」に到着してから5分もたっていないだろう。
係員「それでは開始してください」
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