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土方に気付かれないまま1m後ろまで来てしまった。
(いくら気配消してるからって無防備過ぎない?)
「わっ!」
「!!」
「ちょっ…あっぶね」
ふざけて脅かしたら刀を抜かれて鼻の先に向けられた。
刃先を指でついっと横に流すと、土方の呆れた顔が見える。
(あぁ、その顔いいね)
「またテメーか…ふざけたことしやがって」
どうやら副長さんはご機嫌斜めのようだ。
そりゃそうか、狭い路地裏に追い詰めたのにこうあっさりと逃げられちゃな。
「気配に気付かない土方くんが悪い」
意地悪くニヤッと笑いながらわざと傷付きそうなことを口にしてみる。
銀時の気配に気付けなかったのは事実であり、もしこれが銀時じゃなく命を狙いに来た刺客だったとしたら…
そしたら殺気で気付くと言いたいところだが、言い訳じみたことが嫌いな性分。
土方は素直に落ち込んだようで、伏し目がちに視線を落とし、鞘に刀を納めた。
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