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天気が良く空は青々としていて眩しい。
眩しさに目を細めながら青い空に向かって煙草の紫煙をゆっくり立ち上らせた。
「…はぁ………」
煙と共に出た溜め息は、明るい今日の空とは裏腹にかなりどんよりとした曇天の空模様だった。
土方はその日の書類作業を終え、縁側に腰を下ろして一服していた。
何もせずにボーっとしていると、先日の出来事をふと思い出してしまう。
『お前のこと好きっぽくてさぁ、確認したかったんだよね』
先日、銀時に言われた台詞が頭によぎる。
(馬鹿バカしい…からかいやがって)
煙草を吸う手で自分の唇に触れて、キスされたことも思い出す。
柔らかく熱い体温が感じられた唇…
ふいにカッと顔が熱くなって、思い出したことを振り払うように顔を横にぶんぶんと振る。
(いやいやいや、無いだろ、無い無い、有り得ないって)
「熱っ…!」
煙草の灰を落とすのも忘れていた為、煙草の先に溜まった灰が左手の甲に落ちた。
熱そうに少しさすると、そのまま手を返して手の平を見詰める。
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