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そんなことを考えながらサウナ室に入ると、そこには見慣れた男が座っていた。
サウナ室に入るなり、立ち止まって目を丸くして見ている銀時に気付き、向こうも一瞬顔を上げてこちらに視線を向けると、「げっ」と小さく呟き…俯いて見なかったことにされた。
前はなんだかムカつくし鬱陶しく思った覚えがあるが、この日はそんな気分ではなかった。
たまにはお喋りすんのもいいだろう。
からかい甲斐があるし。
それにこいつとは、もしかしたら気が合うかもしれないと思っていたからだ。
「なんだ、奇遇だなあ土方くん」
ほぼ棒読みのような気だるい声掛けをしながら土方の隣に腰を下ろす。
木で出来た椅子の上にはタオルが敷かれているのだが、今日は前の人の汗が染みてるわけでもなく乾いていて綺麗だ。
気分がいい。
「…はぁ、またテメーか」
土方は溜め息をつくと鬱陶しそうに横目で銀時を見る。
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