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どれくらいそうしていただろうか。
ふと顔を上げると、今まで気づかなかったが、反対側の入口のベンチにも人がいる。
もしかして泣きながら恥ずかしい事を口走っていなかっただろうかと急に心配になる。
こんなどうでもいいことを考えられる余裕が出来たあたり、泣くとすっきりするというのはあながち本当なのかもしれない。
「ん?」耳を澄ませてみると、微かに嗚咽のような声が聞こえる。
何やら、向こうも泣いているらしい。
さっきまで同じように泣いていた自分としては、他人事とは思えなかったからかもしれない。
僕はその人影の方へと歩いていった。
僕が行って何が出来るわけでも無いだろう。
でも、何故か放っておけなかったのだ。
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