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いや、案外それは僕の願望なのかもしれない。
会社をクビになり、妻にも愛想を尽かされ、心のどこかで消えていっそしまいたいと思っているのかもしれない。
実際に、それもいいかな、なんて少し考えてしまうのだから笑えない。
ほう、と息を吐き、空を見上げる。
心なしか、雪が激しさを増した気がした。
不意に、何故か昔の事を思い出した。
高校生の頃、本当に好きだった少女。
好きでたまらなくて、思いを告げ、私も貴方の事が好きだと言ってもらえた日は心臓がばくばく言っていて夜も眠れなかったはずだ。
今思えば、少し内気な僕とは思えないほどの積極さだった。
多分、それほどまでに好きだったのだろう。
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