ある冬の円舞曲

4/12
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
彼女には夢があって、高校を卒業したら町を出ることになった。 それでも、全く会えない距離ではなかったし、離れていてもずっと一緒だと彼女と約束した。 だが、所詮は綺麗事だったのかもしれない。 最初は、毎日のようにメールや電話のやり取りをしていた。 一年が過ぎた頃から、互いが互いを好きであることを相手に確認するようになり、それから少しずつ、でも確実にメールや電話の回数は減っていった。 そして最初に約束を破ったのは、多分僕だ。 後輩の女の子とちょっといい感じになって、そのまま関係を持ってしまった。 その後しばらくして彼女から、思った以上にこの関係が辛いから別れないか、といった内容のメールが来た。 風の噂で聞いた話だが、それからすぐに彼女も別の男ができたらしかった。 そういえば、彼女は雪が好きだった。 あれから全く連絡を取っていないが、彼女は元気でやっているのだろうか。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!