ツンデレりょーくん誕生?

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 中学二年の春……俺、新山亮介(にいやまりょうすけ)は荒れていた。  中学校に入学したての頃は、記憶喪失や孤児をネタに周囲の人間からいじめを受けていたのだが、それは去年の冬にあったとある出来事によってなくなった。  今では喧嘩を売ってくるようなやつもいなくなり、俺は何事もなく学校生活を送ることが出来ている。  それならなぜ、荒れていたのか。いや、正確には荒れてなんていなかったんだ。  ただ、あの一件のせいで今まで俺をいじめていた奴らはもちろん、話を聞いた同級生達がみんな俺から距離を取り始め、俺は次第に周りから浮いた存在になっていった。  たった一度の暴力事件で不良のレッテルを貼られ、学校の教師達も俺を問題児扱い。  俺がいじめられていた時はずっと見て見ぬふりをしていたくせに……  今はもう、かばってくれる姉ちゃんもここにはいない。  今年から後輩となった義妹の千秋が支えてくれるも、クラス内での孤独はどうしたって埋められるものではなかった。
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